算命学の始まり
算命学が生まれた頃の人々は、自然とともに生活を営んでいました。
いつ種をまいたら、作物がたくさん収穫できるのか、狩りにいくためにいつ森や山に入ったら、いつ漁へいけば、遭難せずに無事に家族のもとに帰ってくることができるか、家族や集落のみんなが食べていくことができるのか…。
命を落とさずに生き抜いていくために、人々は、自然界の営みを理解しようとしたのです。
そこから、季節の変化、風の方向、海流の動き、変化する星や惑星の位置などを観察し始めたのです。自然を観察しよう、自然をなんとか理解しようとするところから算命学は生まれてきました。
それが約4,000年前頃の古代中国だと言われています。古代の人々が自然を観察していく中で、だんだんと分かってきたことがありました。それは自然の中には法則があるようだということです。
まずは、算命学の一番の基本的な考え方である陰陽説や五行説というものが生まれ、さらに十干、十二支、六十干支というように次々と生まれていったのです。
算命学の進化
人間は自然の一部である
という考え方
そこに、算命学をもう一歩、前進させる考え方が生まれてきます。それは、自然の中にある法則は、人間にも当てはまるのではないかということです。人間が自然の中で生まれて生きているのであれば、人間は自然の一部ではないかと考えられたのです。
自然の営みを見れば、季節により変化を見せる木々や山々がある。それであれば人間も、木々や山々のように時代により変化をみせるだろう。一つの植物が芽吹き、緑を生い茂らせ、花を咲かせ、実を結び、そして枯れていくように、人間も同じように変遷をみせるであろうと考えたのです。
こうして、算命学は自然だけを観察したところから、人間をも見るものへと発展していったのです。
一人の人から
家族、組織、社会、国にも
応用されていく
さらに、人間が構成する家族、集団組織、社会、国でさえも自然の中の一部であり、自然と同じ法則が働いているのではないかと考えられたのです。そして、春秋戦国時代の頃には算命学は帝王学と言われ、政治・経済・軍略のあらゆる場面で用いられるほどまで進化をしていきました。
その後は、世の中の人が活用できないように、権力者たちにより隠され、代々限られた人たちだけに受け継がれるようになり、長い年月をかけ、権力者たちやたくさんの研究者たちによってたくさんのエネルギーを注ぎこまれ、算命学は守られ、さらなる進化を遂げていったと考えられています。
現在の私たちへ
約4,000年前から現在まで
残り続ける算命学
そして、現在、私たちのところに受け継がれてきたのです。約4,000年間という長い年月の中で、時代は大きく変わってきていても、ずっと残り続けている学問を、今、私たちが学ぶことができることは何かロマンを感じさせてくれるものでもあります。
古代の人々が自然を観察するところから生まれたからこそ、現在の私たちにも、そして、この先の未来にも通用するものが生まれてきたのかもしれません。古代の人たちが自然をどう捉えていたのか、どう掴んでいたかを知ることが、私たちの今の人生や未来にもいきてくるというのは本当に興味深いことです。
算命学は私たちに
気づきや発見を与えてくれる
算命学は全ての人の暮らしや人生の中に存在しています。年齢や性別が違っても、今置かれている立場や環境が違っても、全ての人に当てはめていくことができます。そして、私たちにいろいろなことを教えてくれる、気づかせてくれるのです。それを受け取るのは、私たち人間です。私たちの頭と心と体で受け取って、それを実際に行動していくのです。
長い歴史を経て、生き残り、進化を遂げてきた算命学が、私たちにたくさんのことを教えてくれる、気づかせてくれることを素直に、謙虚に、そしておおらかに受け取り、自分のため、家族のため、さらには社会のために生かしていくことが、算命学を次に繋げていくことになるでしょう。